ちはやふる結びから。
yahooの映画レビューに投稿したものですが、こちらでもご紹介します。
ネタバレ、含んでいるのですが、これから鑑賞しようという方は読まないで、鑑賞後に読んでいただくと嬉しいです。
これはもう3部作通じて間違いないと思うのですが、この物語の主役は太一でしょ。このことは割と多くの方に支持してもらえるかと思います。
良くも悪くも千早は小学生のころから何も変わらない(かるたの腕は別(笑))。人間的な成長はほとんどみられない。それがいいところなんだろうけど。
しかし太一は・・・かるたとともに千早を思う気持ちとともに、人間的にどんどん強く、深く成長していく。大人に、男になっていく。見ている者はその太一の切なさに惹き込まれずにはいられない。太一に感情移入。かなわぬ思いと、天賦の才に恵まれた焦がれる相手と永遠のライバル。焦りと、憧れとそして絶望と嫉妬。そんな自分を嫌に思いながらそれでも離れることもできない。切ない、切ない青春の物語だ。
そんな太一に今回はマスターヨーダが現れる。周防名人その人だ。彼の強さと違和感(と太一は言っていた)になぜか惹かれ、誰もがかるたの相手をしたがらないという周防名人とかるたを取ることになる。
そしてその周防名人から、言葉ではない何かを学んでいく。その中で自分のかるたは千早や新とは別のスタイルを目指して行くべきことに気づいていく。太一のマスターヨーダ=周防名人は自分が選手として「死」を迎えつつあることを知っており、太一にその先を託して消えていこうとしている。
「君にはもう聞こえているだろう?」
太一はその言葉を胸に、千早と新のいる世界へ駆け上っていく・・・。
いやー、感動しました。太一の切なさに。太一のつらい気持ちに。太一の希望に。きっと大人になればなるほど太一をいとおしく思う人が多いと思います。とはいえ、女としてはどこかミステリアスな新を選んでしまいそうな私ですが(笑)。
とにかく、とてもすてきな映画をありがとう。
※ちなみに私は原作も読んでいます。その上で、原作と違うからと言ってこの映画を低評価するのはちょっと違うと思っています。ただ、周防名人と原田先生の対戦は漫画で号泣したので、スピンオフのドラマでいいから作ってほしいなーと思います。