善意の恐ろしさ~アルプスの少女ハイジよりデルフリ村の善良な女たち

最近は動画サイトや有料動画アプリがたくさんあって、懐かしのドラマやアニメもたいがい見放題。こりゃ、レンタルビデオ屋は大変ですよね・・・。

さて、表題。これもその有料動画サイトHULUで最近見ているのですが、昔子供の頃に見ていた時の感想とだいぶ自分の感想が変わっていることに気づきます。

案外ハイジはわがままで自己主張が強く、しかも「ねえ、お願い♡」といえば大概の要望が通ってしまう魔性の女であったりとか・・・。どうやらハイジは美少女らしい(ペーターのお母さん談)ので周りも甘いのかもしれません。

というわけでいろいろ気づきはあるのですが、その中で「怖いな~」と思ったのが、ハイジの住むアルムの山小屋の麓にあるデルフリ村の村人のコミュニティです。

ハイジが変わり者で偏屈だと言われている「アルムおんじ=おじいさん」と暮らしていることについて「なんてかわいそうなんだ」と同情します。なんとかハイジをおんじから救いたいと口々に言うのです。「ハイジはかわいそうだ」「おんじにいじめられているに違いない」「このままだとハイジもおんじのような変人になってしまう」と。
全員が「善意」です。みんなハイジを心配しています。でもこれは事実なのでしょうか。

おそらく皆さんご存じだとは思いますが、事実は正反対。おじいさんはハイジを宝石のように大事に愛しているし、ハイジも山とおじいさんと山の暮らしを大好きなのです。でもその村の人たちの勝手な善意の後押しも有り、ハイジはアルムの山からフランクフルトに連れ去られてしまいます。

村の人たちは
「ああ、やっとハイジも幸せになれる」
「これでよかったんだ」
「おんじもさみしいだろうがハイジのためだ」
と口々にいいます。

では果たしてこれは正しい?
これもほとんどの方がご存じでしょうが、答えはノーです。
ハイジは愛する自然とおじいさん、動物たちと離れたことで精神を病んでしまうのです・・・。

これを見た、大人になった私は、世間の善意の怖さを痛感しました。
村人は全員「いい人」です。「善意」です。でも事実を確かめずに憶測でハイジを「かわいそうだ」と判断した結果、ハイジの精神をむしばむ原因の一端を担うのです。

怖いですね、無知と善意。
人の価値観はそれぞれ。勝手な憶測は不幸を生むといういい典型を見た気がしました。

ハイジはいろんな教訓を教えてくれます。これからもこのblogにもとうじょうするかもです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)